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第12話 思わぬ事故

Author: るるね
last update publish date: 2026-02-27 14:36:22

 このマンションの防犯システムについては、陽菜は十分すぎるほど把握していた。

 だからこそ、扉の向こうにいるのが危険な侵入者であるはずがないと、疑いもしなかった。

 答えは明白だった。

 あの物音の主は、鷹宮に違いない。

 深く考える余裕などなかった。

 短い動揺のあと、陽菜はスリッパもきちんと履かないまま、寝間着姿のまま勢いよく部屋を飛び出した。

 リビングを横切ると、玄関の自動灯が点いているのが見えた。

 橙色のやわらかな光が、床に座り込んでいる男の身体を包み込んでいる。冷たい色味のスーツも、その光の下ではいくらか温度を帯び、孤独の輪郭をほんの少し和らげていた。

 「……鷹宮さん?」

 彼は玄関扉に向かうようにして座り込み、左肩を壁に預けている。

 陽菜の声にも気配にも気づかないかのように、ぴくりとも動かない。

 近づいてみると、目を閉じているのが分かった。

 朝は時間がなく整えられなかった髪が、強い風に吹かれたのだろう、一日を経て乱れている。

 無防備なその姿は、作り上げた成熟した雰囲気をすっかり脱ぎ落とし、陽菜の記憶に残る高校時代の彼に、どこか重なって見えた。

 胸がどくりと
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